掌蹠膿疱症

掌蹠膿疱症とは

掌蹠膿疱症とは手のひら(手掌:しゅしょう)や足の裏(足蹠:そくせき)に左右対称性に点状水疱(点状の水ぶくれ)や膿疱(膿を持った白いブツブツ)を形成したり、カサカサした皮膚がむける症状を呈したりします。膿胞の中には菌はいない(無菌性膿胞)ので、直接触れても他の人に感染するものではありません。皮膚症状は激しい場合でも自覚症状として痒みや痛みなどは生じにくい傾向があります。多くは慢性に経過して水虫と区別が難しい病気です。咽頭炎や扁桃腺炎でこの皮膚症状が一時的に悪化することもあります。
男女比はおよそ1:2で女性に多く、発症としては30~50代が多い傾向にあり、日本にはおよそ13万6千人の患者さんがいます。

原因

外の環境との接点になる扁桃腺(慢性扁桃腺炎)、歯(歯周炎)、鼻(慢性副鼻腔炎)の細菌感染症に伴う慢性炎症(病巣感染症)があると掌蹠膿疱症は生じることがあります。また、頑固な便秘や過敏性腸症候群、金属アレルギーが発症に深く関連することもありますが、精密検査しても原因・誘因が特定できないことが多い病気です。
原因や誘因になる扁桃腺、歯、鼻の慢性炎症の治療がコントロールされても掌蹠膿疱症の症状が良くならないこともあります。金属アレルギーにお原因検索としては金属パッチテスト(金属成分を皮膚に貼付して皮膚炎を生じるかどうかを検査するもの)を実施します。
歯科の治療に使用される金属成分に金属パッチテストにてアレルギーと判断された場合は歯科金属を歯科医師と相談のもとに歯科治療をすることもあります。
また、統計的に掌蹠膿疱症の患者さんに喫煙者の方が80%を超える(特に女性ではおよそ95%)ため、症状が出現しやすい傾向の関連性は強いといえます。

治療法

治療法としては原因が特定されていないため悪化因子を取り除く治療を優先することが大切で、皮膚症状に対しては対症療法が中心になります。外用療法、内服療法、光線療法、その他に分けられます。
先ず、主になる外用療法ですが、症状部位の皮膚の成長過程の異常を正常化する活性化ビタミンD軟膏や炎症性変化を抑えるステロイド軟膏が使用されます。
内服療法は病巣感染性を治す抗生剤、皮膚の成長過程の異常を正常化するビタミンA誘導体、かゆみを抑える抗アレルギー剤が外用剤と併用して使用されます。
光線療法としては紫外線照射を利用したPUVA療法、ナローバンドUVB照射療法、エキシマランプ照射療法が利用されます。
その他、誘因となる病巣感染症の治療としての扁桃腺敵出術、歯牙治療、副鼻腔炎治療などがあります。特に歯科金属アレルギーがある方の場合は歯科金属除去治療をすることがあります。

注意点

日常生活で気をつけること
掌蹠膿疱症の患者さんでは喫煙者の率が非常に高い(統計的に掌蹠膿疱症の患者さんに喫煙者の方が80%を超える(特に女性ではおよそ95%))ため禁煙が重要となります。
また、下痢・便秘などの胃腸機能障害、糖尿病、高脂血症、高血圧などの慢性疾患や甲状腺疾患を併発していることがあり、それらの基礎疾患の治療のコントロールをすることも大切になります。逆に掌蹠膿疱症の皮膚症状の精密検査から基礎疾患が発見されることもあります。
一方合併症として、掌蹠膿疱症の患者さんのおよそ10~35%に骨関節炎を生じることがあります。それを掌蹠膿疱性骨関節炎といい、代表的なものは胸骨と肋骨の関節炎、胸骨と鎖骨の関節炎が生じて痛み症状を引き起こすことがあります。症状が強い場合は整形外科の先生と相談にて治療する必要があります。

よくある質問

人に移してしまう危険性はありませんか?
掌蹠膿疱症で生じる水疱や膿胞には細菌や真菌(カビ)などの菌はいないので、体の他の部位や人に感染して伝搬することはありません。しかし、自分で水疱や膿胞を潰すとその部分から細菌が侵入して細菌感染症を生じる危険性がありますので、むやみに自己処置しないでください。
タバコはやめたほうが良いですか?
喫煙が掌蹠膿疱症との関連性が強いため禁煙をおすすめしています。しかし、タバコを辞めたら掌蹠膿疱症がすぐに治癒するとわけではありません。

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