やけど

やけど(熱傷)とは

皮膚に高温が作用したためにおこる外傷のことです。熱傷の程度には、作用した熱源の温度と皮膚に作用する時間によって決定します。
熱傷の程度は、その受傷の深さによって、分類されます。

  1. 第I度熱傷:赤みと軽い腫れがあり、痛みがあります。主に表皮の傷害で1日以内に軽快するものです。
  2. 第II度熱傷:受傷後間もなくから、発赤の上に大小さまざまな水疱をつくり、水疱が剥がれるとびらんとなります。表皮から真皮にかけて傷害されますが、傷害部が真皮の浅い部分までの浅達性熱傷と、真皮の深い部分にわたる深達性熱傷の2つに分けられます(それぞれ、治療方針・予後が異なります)。
  3. 第III度熱傷:真皮全層、皮下組織、筋組織またはそれより深い組織に及ぶもので、受傷部は壊死し、壊死部はやがて脱落し潰瘍となります。
    第I度および第II度真皮浅層熱傷では、二次感染を起こさなければ、瘢痕を残さず、治癒します。
    第II度深達性熱傷および第III度熱傷では、瘢痕治癒が避けられないので、植皮が必要となります。

熱傷の重症度は、受傷面積の広さとその深さによって判定されます。受傷部位の広さと深さは生命の危険度と最も深い関係にあります。

〇受傷面積との関係
生命の危険;成人は体表面積の40%以上、乳幼児、高齢者は体表面積の30%以上
ショックの可能性;成人は体表面積の20%以上、乳幼児、高齢者は体表面積の10%以上

〇ショック:熱傷面積が広くなるほど、全身症状は強くあらわれ、重症では、受傷後まもなく顔面蒼白・チアノ一ゼを呈し、脈拍は微弱頻数となる。これを1次ショックといいます。

原因

主な原因は、高温の液体や固体に触れることです。
例えば、火災・爆発、低温やけど、薬品(酸、アルカリ溶液など)、電流(家庭電源、落雷 など)があります。

やけど(熱傷)時の適切な応急処置
やけどは、その深さや範囲によって、応急処置の適切な方法が異なります。

軽症から中症の場合

やけどをした直後は、ただちに水道水などの流水で冷やすことが先決です。痛みがなくなるまで冷やします。もしも衣服の下をやけどした場合は皮膚が衣服に貼りついていることがあるため、無理に脱がさず、衣服の上からそのまま冷やすことが大切です。また、患部が腫れることがあるので、腕時計、指輪、アクセサリー類は直ちに外しましよう。そして、水ぶくれができた場合は、気になっても潰してはいけません。痛みが治まるまで冷やしたら、清潔なガーゼを患部に当てて医療機関を受診しましよう。その前に自己判断で軟膏や消毒薬を使用してはいけません。

重症の場合

広範囲に及ぶやけどや深いやけどの場合は、命に係わることがあるので、直ちに119 番通報します。煙を吸い込んだ気道熱傷でも同様です。
大きなやけどを負った場合は、清潔なタオルやシーツなどの布で覆って水を掛けます。 また、衣類を無理矢理脱がしてはいけません。重症の場合は、決して水で冷やす以外の 処置をしてはいけません。また、薬を塗ったりなどの自己判断もしてはいけません。あ とは、到着した救急隊員の処置に任せます。
応急処置は、その後の治療ややけど跡に大きく左右しますので、いざという時に迅速 に対処できるように、正しい方法を身につけておきましよう。

治療法

熱傷の範囲や重症度は受傷間もなくの時はわかりません。何れにせよ放置せずに速やかに医療機関を受診することが先決です。
第I度熱傷、第II度熱傷で体表面積で10%未満(受傷者の手の平10枚程度)の場合は流水治療後に医療機関を受診して治療を受けます。抗炎症作用の軟膏を十分量塗布して包帯でドレッシングする治療をします。
第I度熱傷、第II度熱傷の場合でも体表面積で10%(手の平10枚程度)以上や 第III度熱傷が疑われたり、動けない状況では救急車要請して総合病院で点滴治療を受ける必要があります。総合病院では重症度の評価を行い、点滴軟膏治療や手術療法の予定を立てます。広範囲の受傷と診断されたり、治療が難しいとされる部位(顔面、陰部、手指、足指)の受傷、小児、高齢者であったりする場合は高度治療施設の熱傷センターに転送します。

注意点

カイロや湯たんぽは長時間同じ部分に接触しているとやけどを引き起こします。高温でないため自覚症状ははっきりしません。高温の物質に触れて生じる通常の熱傷と対比して「低温熱傷」と表現することもあります。飲酒時や、睡眠薬を内服している方、糖尿病の方などでは感覚が鈍くなっていることがあるためリスクが高くなりますのでとくに注意が必要です。

よくある質問

どのような施設で治療をうけると良いですか?
軽いやけどと思っていても、まず医療機関に相談して治療することをお勧めします。 はじめは浅いやけどと思っていても、実際には深いやけどで想像しなかった傷跡が残ることもありますので、やけどの治療技術の高い医療機関の医師に相談するようにしましょう。 しかし、やけどをした範囲が広範囲の場合(全体表の皮膚の30%以上)は、熱傷ショックになり命に関わることもありますので、救急車を要請して大きな総合病院で集中的な治療を直ちに受けることが大切です。

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